漢方の古典紹介
(6)金匱要略
漢方の病名別に書かれ、慢性病を中心に書いてあります。八味地黄丸、当帰芍薬散などはこれの出典です。また女性特有の病気や妊娠のための処方もあります。

傷寒論と金匱要略を会わせて傷寒雑病論と言います。ただ傷寒論にも金匱要略にも表面上の中心となる症状は書いてあっても病理が記されていません。病理は皆解っているものとして省略されているのです。
それなのに現在の日本の漢方家のほとんどが素問や霊枢を読まずに傷寒論を読んできました。そのために十分な理解が得られず誤解を生じてきているのです。素問や霊枢を読まないのはそれが難解だからです。