立春を過ぎて梅雨に入りました。雨はうっとうしいですが、雨のお陰で暑くならずにすんでいます。昨年は梅雨が短くて暑くなって大変でしたね。この雨のお陰で植物が育つのはありがたいことです。

最近、生の牛肉による食中毒が問題になっていますね。ユッケは美味しいですが、牛肉は生で食べない方が良いです。よく焼いて食べましょう。四つ足の動物の肉は馬の肉以外は通常加熱して食べます。
馬刺しも食べる時は「酒を飲め」と古書にありますから、特に未成年は注意して食べて下さい。また「馬肉は加熱して食べると心臓が悪くなる。」とも古書にあります。
野菜による?出血性大腸菌も問題になっていますね。

日頃から食中毒予防に梅干しを食べると良いです。生の肉類を食べた後は塩辛くても梅干しを食べた方が安全です。
塩も食中毒の予防になるんです。また、シソの葉も食中毒予防になります。梅干しを漬ける時に入れる紫色の紫蘇(いわゆる赤ジソ)が一番良いですが、青葉も、刺身に付いている時には食べると良いです。特に蟹を食べる時には蟹による中毒を治します。紫蘇は魚や蟹の中毒に良いのです。

漢方薬では、香蘇散
(こうそさん)を飲むと良いです。
古典に、「牛肉の中毒には黄柏(おうばく・きはだ)の粉末を飲むと良い。」とあります。牛肉を食べた後にキハダの粉末を飲むと沢山下利をして食べた牛肉を排出します。焼き肉を食べ過ぎた時やユッケを食べて調子がおかしい時にはどうぞ。でも結構下痢するので注意して下さい。下利を止めるベルベリンという主成分の入った薬草で下痢するとは不思議なことですが、それが生薬の効き方です。下痢をさせて牛肉の毒を排出するのです。
食べた後に、お腹が冷えた時には人参湯
(にんじんとう)をのむと良いです。
食べすぎた後には半夏瀉心湯(はんげしやしんとう)
水あたり、暑気あたりには五苓散
(ごれいさん)を。
ひどい下痢や食中毒には烏梅丸。先ずは梅干しから。

作成日 平成23年6月10日(金)

●漢方の基本や注意などについて連載していきます。ご希望、 ご質問など有りましたら何なりとお申し付け下さい。

食中毒