腎臓の穀物

黒大豆について

「本草備要」という中国や台湾でもよく使われている漢方薬の薬物書にはこう書いてあります。

「黒大豆は色が黒くて水に属し腎臓に似ている。腎臓の穀物である。だから腎を補うことにより腎臓の栄養分を増やして心臓の余分な熱を鎮め、目をハッキリ見えるようにして余分な水分を出して、のぼせを下げ、熱を散じて引きつりを治す。血の働きを活性化して解毒作用があり浮腫を消して痛みを止める。腫れた場所につぶして張ると良い。煮て食べると湿疹などの皮膚病に良い。しまって小さい大豆が良い品である。」

大豆は腎臓の栄養分になります。腎臓の働きはとても重要で生命力にも関係があります。
腎臓の働きが若いとその人も若くなります。そして解毒作用がありますので、最近添加物が多い食事をとらなければならない現代人には特に重要な食品でしょう。大豆から芽を出させたモヤシにも有効な作用があります。漢方では粉末にして、麻痺やしびれ、筋肉の引きつり、膝の痛みを治し、皮膚を潤して発生の働きを盛んにします。

黒大豆でなくても大豆製品の豆腐、おから、モヤシ、納豆、みそ汁などは常に食べるように心がけた方が何時までも若くいられます。トリカブトの解毒にも大豆を使いますが、軽いのであればみそ汁を飲みます。
漢方薬の八味地黄丸には修治して薬効作用だけを残したトリカブト(附子)を使ってあります。これを服用して、もしも痺れることがあれば大豆を煎じたものをすぐに飲みます。
トリカブトでなくても色んな毒素の解毒に使えますので毒物が問題になっている今は毎日食べた
方がいいかもしれません。

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