漢方生薬の薬能
生薬名 品質と修治
阿膠(あきょう) 山東阿膠、玉阿膠、ゼラチン、亀板膠、鹿角膠、にかわ等があります。
一般的には山東阿膠、玉阿膠、ゼラチンが流通しています。
鹿角膠は腎陰虚に、亀板膠はアトピ−に使われることがあります。
山東阿膠を使うのがベストです。

修治は粉砕し、土鍋の上に小麦粉を布いて炒ると球状になります。それを更に粉砕して使います。 他の修治方法としてはそのまま炒ったり貝の粉末といっしょに炒る方法もあります。 またゼラチンはそのまま使います。そして阿膠は基本的に煎じた後に入れます。
阿膠の気味は甘平で、血の形(体)を補って出血を止めます。
硫黄(イオウ) 硫黄という鉱石。 Sulfur
そのまま(水を飛ばして)用いる。または筒状にダイコンの中をくり抜き、硫黄を入れて口を封じて 固め、糠に火をつけてg(包み焼きに)してから用いれば臭わない。またp莢の煎湯に入れて黒し汁を 捨ててから用いる。または土器に入れ火にかけて溶かして水に傾け入れて磨り用う。

腎の命門の火を補うようです。
「漢薬の臨床応用」に依ると中国では腎陽虚(命門火衰・腰膝冷・インポテンツ・下腹の冷痛・老人の 便秘など)に用いています。
長期服用や多量の服用は禁忌です。
外用としては、インキンタムシなどに応用されています。
威霊仙(いれいせん) キンポウゲ科 シナボタンヅル Clematis chinensis Osbeckの根、枝、茎。
普通は根を使います。
採取したときは黄黒色ですが、乾燥させると深い黒色に変わります。
黄色くなった物や白い物は使わない方が良いようです。火を忌むので修治は行いません。

威霊仙(苦・温)は心に入り心気を補い、肝に行き、肝の支配する筋の血脈を引き締め気血の流れを良くして 痛みや麻痺を治します。
それで疎経活血湯に入ります。

威霊仙と防風は働く場所が似ているのかもしれません。 防風は甘味で津液を増やし、威霊仙は苦味で血脈を引き締めます。
茴香(ういきょう) 小さい粒の小茴香、実に八つの弁がある八角茴香(俗に八角という) があります。
小茴香はセリ科、Foeniculum vulgare Mill.の成熟果実です。
八角は、中国原産のシキミ科のトウシキミ(唐樒)Illicium verumで、 普通は中華料理の香辛料として使います。 また八角の成分の一つであるシキミ酸はインフルエンザ治療薬タミフルの合成原料のひとつとして 使われています。
ただし、八角を煎じて飲んでもインフルエンザには効きません。

修治は、黄色みがかるまで炒ります。
その他に、酒に浸して天日に干したり、焙って用いたり、塩水に浸す修治方法があります。

茴香は腎の陽気を補い、下焦の命門の火を補うことにより、中焦の胃の陽気を増やして水穀の腐熟 (消化吸収)を助けます。
欝金(うこん) ハルウコンも秋ウコンもガジュツもショウガ科の植物です。
同じショウガ科で兄弟のような植物に欝根(ウコン)、姜黄(キョウオウ)、莪朮(ガジュツ)があります。
薬効もよく似ていて間違えやすいですし、日本で流通している物は混同されているかもしれません。
ウコンはカレーの原料としても使われます。

ガジュツは、昔から腫瘍に使われていたような記述がありますが、どれも肝の熱に使ったのでしょう。 薬効は似たところがあるように思われます。
ウコン(姜黄)は、気を治し、産後の痛みや心痛に。
ハルウコン(欝根)は心臓や肝臓の病気、各種の出血、産後の諸病など血の病に。
ガジュツ(莪朮)は、肝臓の病気、胸や腹の痛み、無月経、月経痛、腫瘍などに、と別ける事もあります。
どれも肝実熱を治めるのでしょう。

日本ではハルウコンも秋ウコンも混同されてどちらなのかはっきり区別が難しいように感じますし、 薬効は似ています。
春ウコンが良いか、秋ウコンが良いか区別するより、ウコンそのものが自分に合うかどうか確かめることが 最も大切です。
二三日から一週間飲んでみると合うかどうか判ります。
少しずつ(1回 0.3g位から)始めてみてください。
お酒を飲んだ後に少し飲んでみると良いでしょう。
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