漢方薬の一番の基本になる薬物書に、神農本草経(しんのうほんぞうきょう)というのがあります。
そこに、「赤いキノコは心臓の働きを良くし、黒いキノコは腎臓の働きを良くし、 青いキノコは肝臓の働きを良くし、白いキノコは肺の働きを良くし、黄色いキノコは胃腸の働きを良くし、 紫のキノコは心臓と腎臓の働きを良くする。」と書いてあります。
また、6色のキノコすべてに長期間服用すると年を取っても老いにくくなるとあります。
赤とか黒とかのキノコとは霊芝等のことをさすのかもしれませんが、 色以外のことを言っているのかもしれません。
どちらにしても食用や薬用になるキノコで有ればこれら内蔵の働きを良くする作用があると思います。

さて、アガリクスですが、どちらかというと白か黄色いですね。
東洋医学では胃腸に指令を出している親分は脾臓と考えています。
脾臓とは現代医学で言う脾臓ではなくて膵臓を含むもののことです。
胃腸(膵臓を含む)は体の中心を通っています。ここで食物から体に送る栄養分を消化します。
胃腸に異常が起こると、全身に行く栄養分の素が出来なくて他の臓器にも障害が起きます。
だから肝臓が悪くなったり肺が悪くなったりするとも考えるのです。
胃は小腸、十二指腸、大腸などにつながっているのでこれらにも影響を与えやすいのです。

つまり胃腸の働きが悪いと全身に影響を起こしやすくなってきます。 ただ私の経験からすると肺と肝臓に良いように感じます。
それは肺に病気がある人や肝炎の人などがアガリクスを服用して良くなったからです。

たとえば何らかの影響(酒や薬などの飲み過ぎ、いつも怒っていたなど)で肝臓に熱が発生すると、 その熱は体の外や上に向かって昇ろうとします。そして肺にも熱が停滞します。
また肺の呼吸作用により血液は行るので、肺の働きが悪くなると全身の血液の行りが悪くなります。
肝臓は血液の貯蔵庫ですので血液の行りが悪いと、ここに貯める血液が汚れてきます。 柴胡という薬草に働きがにているように
感じることもあります。あくまで仮説ですが、アガリクスは胃腸を中心として肺や肝臓に働くのではないかと 思っています。

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アガリクスと漢方

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