立秋を過ぎました。地上にはまだ暑さが残っていますが、秋の始まりです。

今までは少しくらいなら冷たい物を飲んでも外の暑さが強いので平気でしたが、これから天が涼しくなるために、少しこたえてきます。秋は肺が旺気(おうき)するからです。

どういうことかというと、冷たい物を飲むと先ず胃腸に入って胃腸が弱りますが、同時に肺も冷やされます。胃腸が冷えると肺も冷えるのです。肺は気力を管理していますから、体がだるくなって気力が無くなります。肺が冷やされると肺が旺気出来なくなりますから、苦しくなって咳が出て来ます。すぐに咳が出ることもありますが、体外は体の中にこもって後から何かの拍子に、疲れた時とか気を使った時、さらに冷やされた時に出て来ます。肺は大腸とつながっていて下痢もします。肺は皮膚も管理しています。肺の働きが弱くなると皮膚も弱くなります。

冷たい物を食べたり飲んだりすることが多い日本人にアトピー性皮膚炎が多いのは冷飲食も関係しています。何処のレストランに行っても食堂に行っても氷の入った冷水が出てくる日本の外食産業はいつかサービスを考え直さなければいけません。

また皮膚病になるのはストレスが関係していることもあります。アトピー性皮膚炎の人にはイライラしたり気分が落ち込んだり、怒ったりしている人が多いのです。怒ると心臓や脳にも影響を与えます。いつもイライラしたり怒っている人に心筋梗塞が多いというデータもあります。心をゆったり持ちましょう。焦ったり、急いだりせず、出来るだけスローライフを心がけましょう。悪い人は誰もいません。許しを学びましょう。許すと自分が癒されます。

また植物を中心に食べて草食系になりましょう。

熱い時には熱い時に出来る野菜が体を冷やしてくれます。
西瓜(すいか)、キュウリ、トマトを食べましょう。牛乳も熱中症の予防になります。腸も潤して冷やすので、温めて飲んで下さい。胃腸が弱く下痢しやすい人は特に注意して飲んで下さい。牛乳やヨーグルトは便秘する人にはちょうど良いです。動物を中心に食べると力が湧いて瞬発力がでますが、その力は折れやすく、イライラしやすくなります。
植物を中心に食べると瞬発力はありませんが粘りが利き、静かに過ごしやすくなります。ゆっくりと、のんびり、人生を楽しみましょう。

外では水分補給を十分に!冷房の中では少し暖かい飲み物を。しかし、冷房の設定温度が高ければ多少は冷たい飲み物も必要かもしれません。今年は節電の夏ですから。


                                            作成日 平成23年8月29日(月)

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夏から秋の養生法

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