地上もやっと秋らしくなってきましたね。湿気の多い秋の初めから段々と空気が乾燥して気持ちよくなってきました。肺も乾燥しやすく、冷飲食は直に胃腸を冷やしますので、温かい薄めのお茶などを飲んで肺も潤して下さい。

中国では乾燥する時期は麦門冬(ばくもんどう)という薬草を煎じたり料理に入れたりして肺を潤します。
そして10月21日の金曜日から秋の土用に入ります。肺がしっかり働いた秋が終わって胃腸がしっかり働いて肺に「ご苦労さん。」と栄養を送ってあげます。この土用の十八日間は、いつもより胃腸が働くので胃腸が過労になったりします。つまりいつもより食欲が湧いて食べ過ぎたり飲み過ぎたりしやすく、胃腸が悪くなりやすいのです。この時期に食欲が落ちる人も胃腸が弱っている証拠です。そんなときは無理に食べずに、消化しやすい物にしましょう。体力が落ちたり、食欲が落ちた時はお粥が1番です。無理に食べずに少しずつ食べましょう。

11月7日迄の土用が終わると11月8日からは立冬。つまり天では冬の始まりで、今度は腎臓や膀胱が活発に仕事を始めます。
この時期は無理をせず出来るだけ休むのが良いです。夜は早く寝て朝は遅く起きるのが理想です。出来れば、太陽が昇ってから起きるようにしましょう。この時期は遅くまで起きておかないように出来るだけ早い時間に横になって下さい。そして体をゆっくりと休めることが老化を防ぎ若さを保つ秘訣です。この時期に休むことが来年の2月から始まる春に元気で過ごせるかどうかが変わってきます。無理せず、休みましょう。多少は太っても構いません。秋から冬には少し太って春から夏にかけて少し痩せるのが理想です。ただし、くれぐれも食べ過ぎて太らないように。それでは病気になってしまいます。

また、風邪を引きやすい季節になってきますので、温かくして冷やさないようにしましょう。  ショウガや白ネギを料理に入れると良いです。乾燥したショウガの粉末を紅茶 に入れる方法もありますが、生姜は生の物が1番良いです。すり下ろしてお茶や紅茶に入れましょう。お砂糖は黒砂糖のカタマリが良いです。さらに温めてエネルギーも与えてくれます。
温まる鍋を作りましょう。材料はある物で、この季節にたくさん取れる割安の材料で白ネギは高いかもしれませんが、腎臓を温めて力を与えてくれます。
胃腸が弱った時の風邪には参蘇飲(じんそいん)という漢方薬がよく効きます。胃腸の弱い人なら誰にでも効きやすいので、市販の風邪薬を飲むと胃が悪くなったり怠さがひどくなったりする人は是非一度お試し下さい。


                                          作成日 平成23年10月14日(金)
秋から冬の養生法
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