12月だというのに暖かい日が続きます。こんなふうに温かくなったり寒くなったりすると風邪を引く人が多いです。どうしてかというと温かいと薄着をしたり汗をかいたりした時に冷たい風にあたると毛穴から風邪が侵入してしまうからです。これを日常でよくやるのは、入浴後に薄着のままでいることです。お風呂で温まると毛穴が緩んできます。その状態で風にあたるのが最も良くないのです。入浴後は、お湯をきれいに拭き取った後で、体を乾いたタオルで擦って皮膚を刺激してあげましょう。そうすると毛穴が閉まってきます。可能であれば、入浴後の部屋は暖かくしておいた方が良いでしょう。急に温度差のあるところに行くのが良くないのです。

外出する時には温かくして帽子もかぶりましょう。ただし、熱くないように。暑くて汗をかいてしまっては逆効果です。冬は汗をかいてはいけません。汗は血液の変形です。血を消耗しないようにしましょう。冬の外出は控えめに。外出しても早めに帰るように心がけましょう。冬は冬眠するくらいの気持ちが1番です。体を貯蔵する時ですので、洩らさず。閉じて。無理をしないように。年末の忙しいのは本当は良くないですね。のんびりしましょう。大掃除は出来れば3月頃が良いです。

目覚めは、朝日が昇ってから起きるのが理想です。といっても、現代の社会生活では、なかなか出来ません。だからみんな年末に体を壊したりします。出来る範囲でやりましょう。冬はゆっくりと貯蔵する気持ちで。

今年は灯油ストーブがよく売れているそうですが、ストーブの上でお湯を沸かすのが良いです。インフルエンザウイルスも死んでしまいます。また体お湯や薄めのお茶を飲みましょう。ひきはじめならこれで治ってしまうこともあります。

葛根湯をお湯に溶いて飲むのも効果的です。葛根湯は胃が悪くなったら効きません。葛根湯を飲んで胃が悪くなって風邪も治っていない時は、続けて葛根湯を飲んではいけません。胃も良くなる人参湯(にんじんとう)、参蘇飲(じんそいん)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)等に変えて貰いましょう。

食事では鍋物を食べましょう。生姜、白葱、ニラ、ニンニクなどを入れると、更に温まります。くれぐれも入れ過ぎないように。香辛料は少し入れると温まります。唐辛子などを入れ過ぎると発散してしまって逆に冷えてしまいます。冬に辛いカレーを食べると風邪を引いてしまうのはこのためです。カレーは夏の食べ物です。ご注意を!

冬は羊の肉が良いです。寒い時には羊を食べましょう。とっても体が温まります。日本人には馴染みが少ないようですが、モンゴルの人たちの元気な姿を見てみてください。

中国では羊のしゃぶしゃぶに、ショウガ、白ネギ、当帰(とうき)、せんきゅう、地黄(じおう)、八角(大茴香)、フェンネル(小茴香)などを好みで入れて食べます。四物湯(しもつとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)のエキスを入れても良いです。


                                            作成日 平成23年12月15日(木)

●漢方の基本や注意などについて連載していきます。ご希望、 ご質問など有りましたら何なりとお申し付け下さい。

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今年の冬の養生法