春の養生法

立春を過ぎました。まだまだ地上は寒いですが、寒さの中に日差しの温かさ、陽気の芽生えを感じます。徐々に暖かくなってきます。

以前「
12月の年末に疲れるほどの大掃除はしない方が良い。」と書きましたが、片付けや掃除をするのに最適の季節になってきました。無性に片付けたくなるのもこの季節です。
片付けや掃除は2月,3月,4月にやってしまいましょう。

肝臓、胆嚢系に気(熱)が多くなってきますので、イライラしやすくなります。緊張や怒りは避けて、ゆったりとリラックスしましょう。服装もゆったりとした方が良いです。ネクタイをきつく結ばないようにしましょう。夜早く寝て朝早く起き、ゆったりと散歩するようにしましょう。

これからは冬に貯めた脂肪やエネルギーを消費する時なので、食べ過ぎないように、体を動かして燃焼するようにしましょう。春に余分なものを食べると余分な物が出来ます。消費して循環させるようにしましょう。食べ過ぎず、体を動かせば良いのです。

イライラする時には柴胡(さいこ)という薬草が入った加味逍遥散(かみしょうようさん)や小柴胡湯(しょうさいことう)という漢方薬を使います。
これは湿疹やアレルギーにも使う薬です。春は湿疹も出やすくなるのです。食欲があってイライラしやすく皮膚病や鼻づまり、花粉症などの鼻の症状がある場合には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を使います。

花粉症には、食べ過ぎて便秘したり下痢しやすい人には半夏瀉心湯(はんげしやしんとう)。疲れやすく、食欲は無いが食べたら食べられる人には当帰建中湯(とうきけんちゆうとう)
いずれの場合も、漢方専門の薬局薬店や病院で一度御相談下さい。

冬から春への健康茶としては板藍根(バンランコン)のお茶がオススメです。
バンランコン3gに甘草を2g、手に入れば桔梗の根も2g(よく洗って干したみかんの皮2gを入れても良い)。体が冷える人にはショウガを3g入れて水400ml前後で少しグツグツ煮て黒砂糖か蜂蜜を入れて飲んでみて下さい。ウイルスにも良いという話ですから風邪やインフルエンザにも。ただし効き目に個人差が有りますので、初めは少しずつ飲んでみて下さい。あくまでお茶ですから補助として。

インフルエンザに使う漢方としては麻黄湯(まおうとう)が有名みたいですが、江戸時代の名医浅田宗伯(あさだそうはく)は、風邪等に柴葛解肌湯(さいかつげきとう)を使っていたようです。これは葛根湯と小柴胡湯を合わせたような処方ですから、風邪引きに葛根湯や麻黄湯と小柴胡湯を一緒に飲むと胃腸が弱くてすぐ下痢しやすいタイプでなければ、よく効きます。

風邪引いた時には温かいお湯や茶をよく飲むだけでも効果がありますので、薄めの暖かいお茶をしっかり飲んで下さい。

そして暖かくなったら外に出て散歩を!

                                            作成日 平成24年2月13日(月)

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