梅雨に入りましたね。夜が短くなり、季節の上では既に夏です。
日本は幸いに梅雨がある為に涼しい一日を過ごせます。うっとうしい梅雨が無かったら早く暑い夏になります。

古書には、「夏の三ヶ月間(5月6月7月)は天地の気が交わって、華やかに実る時です。夜になってから寝て朝は早く起き、朝から活動しましょう。怒りを棄てて許しましょう。外に出て、程々に汗をかいて発散しましょう、とあります。

夏は適度に汗はかいた方が良いです。ただし、しんどくなるほどはかきすぎないように。水分補給は十分にして下さい。要は冷房の中にこもって冷やしすぎないようにしなさいということです。今年も節電の夏ですし、若いうちは少々汗をかいて適度に疲れた方が良いです。しかし、小さい子供や年配の方は弱い(血が少ない)ですからどうしても冷房などが必要です。朝夕は家の周りに水をまくと良いかもしれません。

今は夏ですから心臓が旺気しています。旺気しているとは、心臓に気が多いと言うことで、興奮状態に有るという感じです。心臓に気が多いとは熱が籠もる可能性があるので、適度に汗をかいて発散しなければなりません。汗ばむ程度で良いのです。ポタポタと汗をかきすぎると血液が減って弱ってしまいます。何事も程々に、が良いのです。
夏に汗をかかないでいると、心臓に熱が多くなって秋になって咳が出始めます。少し汗ばみましょう。

食べ物としては夏によく出来る野菜、胡瓜やゴーヤー、トマトなどが良いです。
そうめんを茹でて胡瓜とトマトをザク切りにして加え、前の日などに残ったおかずなどを入れれば、自家製即席節約ラーメンの出来上がりです。小麦をよく食べる中国の北の方ではよく朝ご飯に食べます。できれば暖かくして食べましょう。

脂が多ければ酢を入れるとサッパリしますし、消化を助けます。暑い時には暑い所や時に取れる物が良いです。九州で出来る黒酢もその一つでしょう。

地元で取れた野菜に地元で取れた酢をかけて食べましょう。中国の一般的な家庭料理、トマトと卵の炒め物も良いです。ザク切りにしたトマトを油で炒め、溶き卵を加えます。ザク切りにした豆腐を加えても良いです。

そして、食後はお茶を飲みましょう。日本茶でも紅茶でもウーロン茶でも良いですが、玄米ほうじ茶で十分です。外出先なら冷たい物も仕方が無いですが、冷えすぎた物では無く、少し温まってから飲みましょう。家の中なら暖かい物が代謝を良くします。

さて、7月19日からは土用になり、心藏に多かった気は脾臓に移動します。脾臓とは現代医学でいう膵臓のことで、胃腸の指令本部になります。つまり、胃腸に気が多くなります。ということは少し元気な人は食欲が出ます。食べすぎに注意しましょう。
冷飲食が多かった人は胃腸の疲れが出ます。胃腸が弱ると身体が怠くなる人も居ます。土用に辛いものを食べると口内炎にも注意です。

今年は8月8日が立秋です。ここからは冷飲食は禁物です。冷飲すると肺を冷やして怠くなり、夏ばてがひどくなります。程々にして、暖かい物を飲みましょう。海水浴やプールもお盆迄くらいの方が良いです。時間や休みの都合で行く場合は程々にして冷やしすぎないようにしましょう。
それが目に見えない健康への秘訣です。

●漢方の基本や注意などについて連載していきます。ご希望、 ご質問など有りましたら何なりとお申し付け下さい。

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夏の養生法2012