梅雨に入りましたね。日本は梅雨で雨が降りますが、そのお陰で少し暑さがしのげています。
梅雨の無い大陸の暑さは大変です。もっとも今年は雨が少ないという予想もありますが...梅雨であっても今は夏です。今年のように空梅雨の時は六月の本当の暑さがよくわかるでしょう。

夏は心臓が活発に働きます。すると心臓に熱が多く成りやすいので汗をかいて熱を抜くようにしましょう。
冷房の中では熱いお茶が良いです。紅茶でも日本茶でもコーヒーでも温かいのが良いです。
夏は発散することが大切です。

発散とは、適度に汗をかけば良いのです。夏に汗をかいていないと、秋になって咳が出始めます。 或いは下痢します。秋とは8月7日水曜日の立秋以降です。お盆中は秋に属します。

湿気の多い夏に最も活躍する漢方薬は五苓散(ごれいさん)です。
食中毒から暑気あたり(熱中症)、夏風邪、嘔吐下痢、アトピー、喘息まで幅広く活躍します。野菜では、トマト、キュウリ、西瓜が良いです。夏はスイカを食べて暑い時の身体の熱を冷ましましょう。カレーライスを食べて汗をかくのもお薦めです。氷の入ったような冷水とは一緒に食べないようにしましょう。ぬるま湯やお茶で、汗が出た方が後で涼しくなります。ただし、汗のかき過ぎは熱中症にも注意して。 水分補給は十分に。

冷水は逆に熱が停滞して頭痛を起こしたりするのを恐れるのです。子供の場合は熱が出ることもあります。「海水浴に行ってかき氷を食べてその夜から熱が出た。」なんてのがそれです。そんなときは呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を少し飲みます。冷飲して下痢したら人参湯(にんじんとう)。これらは生ものを食べたり、冷たい物を良く飲む日本人によく効く漢方です。「喉が渇いたら五苓散、 喉が渇かなかったら人参湯。」と覚えておきましょう。

夏の熱を冷ますには黄連解毒湯(おうれんげどくとう)も使います。血圧の高い人にもお勧めです。 ただし、下痢しやすい人には注意して使わないといけません。身体を冷やすからです。

お腹いっぱい食べないと気がすまない人には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が良いです。 食べ過ぎによく効きます。

とにかく暑い時にはスイカとトマトとキュウリをしっかり食べましょう。 逆に冷たい物を食べ過ぎて冷えたら、ショウガを食べましょう。プールで泳いだ後にも良いです。 唇が白くなるほど冷えたら呉茱萸湯を飲ませましょう。でも呉茱萸湯はとても温めますから、 少しだけ飲んで下さい。暑い夏に温めすぎると大変なことになります。

温める食べ物と冷やす食べ物をその状況に応じて食べるのが薬膳料理であり、養生法になります。難しいことではありません。冷えたら温める生姜を、熱を持っていたら冷やすキュウリやスイカを、です。

便秘の方は蜂蜜をなめましょう。蜂蜜は最もやさしい下剤です。牛乳、ヨーグルト、牛蒡も便秘に効きます。

汗をかいて体内の水分が不足したら、水分補給を十分に。外出先では冷たい物でも飲みましょう。 暑い時は少しだけ外に放置して冷たさを和らげるのが理想です。その時の状況に応じて対応しましょう。

                                            作成日 平成25年6月15日(土)

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夏の養生法2013-2